フランチャイズが今日のように普及すると、ノウハウに値するものを何も持っていないのに、フランチャイザーを名乗って加盟店を募集し、加盟金を集めたら雲隠れするといった詐欺師も登場します。
それほどの悪意がなくても、本部としての実力を持っていないために、結果的に加盟店に迷惑をかける例も少なくありません。
詐欺行為は言語道断ですが、実力のない本部は、社会的に大きな損害を与える元凶となります。
今後、国民経済に重要な貢献をするはずのフランチャイズの信用を失墜させ、その発展の芽をつんでしまうおそれのほかに、せっかく希望を持って独立開業を始めた加盟者を、経営的・資金的困難に陥れてしまう危険が大きいからです。
これを防ぐために、中小小売商業振興法では、特定連鎖化事業(フランチャイズの法律用語)を行おうとする者(フランチャイザー)に、情報開示義務を課しています。
具体的には、フランチャイズに加盟しようとする者に書面(法定開示書面)を交付し、加盟希望者に対して、加盟金や保証金など金銭に関する事項、商品の販売条件に関する事項、経営の指導に関する事項などについて、十分な説明をするように義務づけています。
しかし、法律面ではこのように規定されていても、例えば、本部がロイヤリティに値するノウハウを本当に持っているか否かを見極めることは、容易ではありません。
こうした点を踏まえて、日本フランチャイズチェーン協会は、フランチャイズの登録制度を導入しています。
加盟店になりたいと希望する人は、自分自身でよく本部の内容を調べることが非常に大切ですが、それと同時に、日本フランチャイズチェーン協会が加盟店希望者に対して情報提供や相談活動を実施しているので、これを是非積極的に活用することをおすすめします。